健康と断熱と気密

夏暑くて冬寒いのは、仕方ない?!

日本には四季があり、夏は暑いもの、冬は寒いもの、と決まっていますが、

家の中でも、そうあきらめてしまってよいのか・・・

家の性能の良し悪しがどれほど生活に影響しているか、研究結果としてぞくぞくと報告されています。

高血圧をはじめ、様々な病気の発症リスクが、家の性能によって変わってきます。

睡眠の質も変わります。

脳の若さにまで影響し、要介護度の悪化スピードにも違いが出ます。


全国版の週刊誌にまで取り上げられる時代になりました。

(まずはこの記事をお読みください。クリック!)週刊文春 2017.10.05付 より


週刊文春 温かい家は寿命を延ばす



上の記事が、

書籍に

まとめられました

・・・

たいへん興味深い

内容に

なっています


(追記2019.10.13)

週刊文春 温かい家は寿命を延ばす



冬場に上がる死亡率

様々な病気で、死亡率が冬場に高くなっています。

季節変化が明らかな死亡原因

寒さが体にとって「害」であることが明らか・・・


家の中と外、どっちが危険?!

ヒートショックによると推定される死者数は交通事故による死者数の4倍近く。

(下図はパッシブハウスジャパンHPより)

死亡者数

「行ってらっしゃい、気をつけて」

普通、出かける人に、かける言葉ですが、

交通事故の4倍以上、入浴中に亡くなっていることを考えると、

「行ってきます。気をつけていてね」

と、出かける人が、家の人に、声かけするほうが、統計的には正しい・・・


笑い話のようで笑えない事実です。


家の中の温度差が・・・!

冬場、暖房の効いた部屋と冷えたままの廊下やバス、トイレとの温度差は15℃ほどにものぼります。

また、深夜や早朝などには、布団の中の温度と室温との差が20℃以上に。


布団から出るのがつらいのは、急激な温度差が体にとって大きな負担だという知らせなのかもしれません。

心臓発作や脳卒中を引き起こす「ヒートショック」の危険にさらされます。

夜中に目が覚めてトイレなどに行こうとして、また入浴中に亡くなってしまうケースは後を絶ちません。

こうしたヒートショックを防ぐためにも、家の中の温度差を小さく保つことが大切なのです。


現実的な解決策は?

でも、そのために一日中、家の中すべての暖房をつけっぱなしにするというのは、現実的ではありません。

もちろん単に厚着をすればよいというわけでもありません。

確かに着る枚数を増やして体温が逃げないようにすることで改善できる症状もありますが、

冷気を吸い込み肺が冷えることによる免疫力低下は、厚着ではカバーできないのです。

この対策としては家の中すべてを暖かく保てる家にすることしかありません。


暖かい家に引っ越すと・・・

2002年以降約3万5千人を対象に岩前教授が行われてきた健康調査があります。

新築の高断熱高気密住宅に引っ越した人が対象で、回答者の中心は、

30代~40代の働き盛り世代とその子ども世代である10代までの男女です。

各種疾患の改善率と転居した住宅の断熱性能との関係

気大半の症状に明らかな改善が見られ、

しかも、転居後の断熱グレードが高いほど、改善率も高くなっています。


こうしたデータからもわかるように、

断熱グレードの高い住宅に住まうこと、つまり、

家の中を、快適な形で暖かく保つことは、

健康寿命を延ばすために欠かせないポイントです。



断熱性能が良いだけではダメ


ところで、「気密」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?

家に「本来あってはならない隙間」がどのくらいあるか、ということです。


家に「本来あってはならない隙間」があるなんて、聞かれたことがないかもしれませんが、あるんです。というか、大有りなんです。

古い民家などで戸の立て付けが悪くなって、冬に隙間風が・・・

というのは目で見てもわかるレベル。

でも、

隙間風とまでは行かなくても、小さなレベルで空気が「勝手に」出入りしている、

そういう隙間は、結構あるものなのです。


新築なのに、断熱材がしっかり入っているはずなのに、寒い・・・という家は、

結構あるようですが、(「新築 寒い」などの単語で検索してみてください)

密性が十分でないということが疑われます。

どれほど分厚いコートを着ていても、

穴が開いていたら、本来の暖かさは望めませんよね。

それと同じで、

断熱性能は気密性能に大きく左右されます


断熱性能は、設計の段階で、計算できるので前もって比較可能(Ua値やQ値)。

しかし、その断熱性能が実際に機能するかどうかの気密性能は、

実際に一棟棟、測定しなければわかりません。


気密測定するには費用もかかりますし、

一般に、高断熱高気密で目標とされている「C値1」をクリアできていない量産ハウスメーカーも多いので、断熱性に比べて気密性については、まだまだ世の中に一般情報として十分流れていないのが現状ですし、

実際のお施主様のお家(モデルハウスでなく)の気密性能を測っている会社もまだまだ少数派です。

けれども、設計にない隙間があるということは

・暖冷房の効きが悪くなる

・24時間換気が計画どおりに効かない

というだけでなく、

その部分が

 →外の空気と通じている

 →大きな温度差が生じる

 →結露しやすくなる

 →カビや腐れの原因になる

ということで、

決して見過ごしていいことではないのです。


ですから、

断熱性能は気密性能とセットで判断しなければ本当ではありません。


現在、すぎはら建築工房では

・Ua値:0.28以下(HEAT20の、いわゆる、”G 2.5”レベル

・C値:0.2前後 (0.0(零点ゼロ)の実績あり)

を標準にしています(個別のプランによって多少前後あり)


さらに断熱性能をアップした、

HEAT20のG3レベル(Ua値0.23以下)の住宅もお引渡し済。

Q1住宅も目指しております。

(さらなる高断熱をご希望の方も、ぜひお問い合わせください)


ご参考までに、Ua値は、家の外と中でどれだけ熱の出入りがあるかを表していますが、現在の国の参考基準では、北海道が0.46、北陸は0.89です。(この数値が小さいほど、無駄な熱の出入りも小さい)

C値は、一般に高気密住宅が目指す目標が「1」とも「0.5」とも言われていますが、当社は標準で0.2前後ですので、ダントツの高気密。隙間なく、きっちりと施工されている証です。

ちなみに、ここで言う「隙間」とは、あくまで、「本来あってはならない隙間」のことです。窓など本来あるべき開口部は閉めたうえで測定し、そのうえで、どこかに生じている隙間(=漏れ)を測っています。そういう隙間はなるべくないほうが良いのです。(「それでは息が詰まる・・・」といった誤解はどうぞされませんよう・・・)

空気はいつも、24時間換気で計画的に交換されており、新鮮です。

この計画換気が計画どおりに機能するかどうかも、気密性にかかっていますので、気密性は高いほうが良いと私たちは考えています。

そして気候のよい時期は、窓を開けて、自然の風を楽しめるよう、通風ももちろん考えて設計しています。


というわけで、すぎはら建築工房が提供する家は、

しっかりと厚いコートを着ており、

そのコートには、本来あってはならない穴がほとんどない、

冬暖かく、夏涼しい家なのです。


メールでのお問合せ